第21章

周防律は朝早く会社へ出た。何年も前から身についた習慣だ。

秘書のエミが執務室をすでに整えている。周防律の姿を見つけると、にこやかに頭を下げた。

「周防様、おはようございます」

周防律は軽く頷く。

「株主に連絡してくれ。午後2時、臨時で会議だ」

手元資金の回りはずっと苦しい。先延ばしにしている余裕はない。下手な憶測が外へ漏れれば、株価に取り返しのつかない傷がつく。

主要株主を集め、次の一手を擦り合わせるだけだ。大事というほどでもない。前回、星辰グループ傘下の企業と組めたことで、圧力の大半は分散できている。

「かしこまりました、周防様」

エミは重要書類をデスクに置き、静かにドアを...

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