第52章

午前のあいだに、サミットへ製品を持ち込んだ各社の展示はすべて終わった。鈴木様が主催者側とひと通り打ち合わせを済ませると、午後の部では報道関係者が一斉に退出させられ、ざわついていた会場も少しずつ秩序を取り戻していく。

夏目南は分かっていた。鑑定機関が入る前に――業界全体の目が注がれるこの場で、自分が先に「説明」をしなければならない。

「夏目南、時には頭を下げるのが一番の解決になることもある」

すぐ近くで、男の声がした。

綾人だ。

夏目南が視線を向けると、彼は何でもないふりをしたまま、ちらりとだけ目をやる。声はさらに低く落とされた。

「大勢の前で『盗用だ』って名指しされたらさ。苦労し...

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