第11章 殺すつもり

水上伊鶴は眉をつり上げ、挑むように笑った。

――見つけたのは、彼女のほうが先だ。

「伊鶴、何見てるの? 上は誰もいないよ。パーティー、飽きちゃった?」

芹沢琴音が隣へ身を寄せ、首をかしげながら二階のデッキを見上げる。そこはがらんとしていた。

水上伊鶴は視線を戻す。

「なんでもない。月、見てただけ」

「ほら、行くぞ。ステージだ」

芹沢蒼真は満足げに目を細め、待ちきれないとばかりに伊鶴を促した。皆の前で、彼女の立場を証明するために。

「待ちなさい!」

そこへ、しゃがれた老女の声が割り込む。

杖をつき、白髪をきっちりまとめた貴婦人が、宇佐美樹奈に支えられながらゆっくり歩み寄って...

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