第14章 君と争う

「白坂家の若様じゃないか?」

「世界一の宝飾商、白坂家の若様よ! まさかこの会場にいらしてるなんて!」

「白坂さんがお見えよ! みんな、道を空けて!」

宇佐美樹奈は、その男をじっと見つめた。獲物を見つけた狩人のような目だった。

白坂グループの若様――。

彼女はそのまま泣きながら駆け寄り、勢いよくすがりつく。

「白坂さん、どうかお祖母さまのために力になってください! あの人、あまりにもひどすぎます! お祖母さままで気を失ってしまって……!」

白坂曜は、にこやかな笑みの奥に露骨な嫌悪を押し隠した。

胸の内では思わず毒づく。

こいつが、前に芹沢家が結城明臣にあてがおうとした婚約者...

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