第18章 手伝う

芹沢の母はたまらず駆け寄り、水上伊鶴を強く抱きしめた。瞳には今にもこぼれそうな涙。積もり積もった歳月の想いが、ようやく形を持ったみたいだった。

「私の大事な娘……顔を見せてちょうだい。今まで、つらい思いはしてこなかった?」

芹沢の父もまた、目を赤くしていた。だがその顔から、先ほどまでの温厚で知的な空気はすっと消える。代わりに現れたのは、修羅場をいくつも潜ってきた経営者の顔。芹沢社長としての威圧が、そのひと言に宿る。

「さっきから、うちの娘を侮辱していたのはお前たちか」

水上家の面々は、誰ひとりとしてすぐには状況を呑み込めなかった。

目の前の光景を見つめたまま、頭の中で何かが轟音を立...

ログインして続きを読む