第21章 両方の金を稼ぐ

水上伊鶴は、またあの「弱くていじめられそうな顔」に戻っていた。

鉄の扉がドン、と蹴り破られる。誘拐犯の手下と、兄貴が中へ入ってきた。

手下は両手をこすり合わせ、やけに興奮した声を上げる。

「まさか芹沢家があそこまで気前いいとはな……なあ兄貴、計画はこのまま続行でいいのか?」

兄貴は獣みたいに口元を歪め、頷いた。

「当たり前だ。金は両方からふんだくる。あと2時間は殺すな。芹沢家が金を手渡したら、俺らは抜ける。抜けたあとに爆弾を起動だ」

手下が喉を鳴らし、言いにくそうに切り出す。

「兄貴……俺、女ってもんに何年も飢えててよ。ほら……ちょっとくらい、いいだろ?」

その濁った視線が、...

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