第23章 見物は終わったか

宇佐美樹奈はすぐさま頷いた。態度は至って真面目だ。

「そのとき、お二人は郊外の工場の近くに倒れていました。もう目を覚ましたなら、私はこれで失礼します」

立ち上がった瞬間、彼女の腕に走る細い擦り傷がふいに覗いた。

そのわざとらしさに高山龍が気づき、追い打ちのように問いかける。

「腕、どうしたんです?」

宇佐美樹奈は素早く袖で隠し、取り繕うように言った。

「さっき、お二人を支えたときにうっかり擦っただけです。気にしないでください」

「そうか……」今井天は苛立たしげにこめかみを揉む。頭の奥がどろりと重い。

覚えているのは、自分と高山龍が今後の段取りを詰めるために動いていたこと。例の...

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