第39章 薬物

結城おじい様の主治医・松井誠が、眉間を揉みながら扉を押し開けた瞬間、顔色がさっと変わった。

「宇佐美さん。結城おじい様は前から言ってるでしょう、あなたは病室に入るなって!」

宇佐美樹奈は背を向けたまま、浮かべていた笑みを一瞬で無邪気な表情に差し替える。

くるりと振り返り、両手を広げて見せた。すでに封が切られた薬瓶。

「さっき結城おじい様にお薬を飲ませてたところですけど。何か?」

松井は目を見開いた。困惑と驚き、そして理解できないという戸惑いがない交ぜになる。

慌ててベッド脇へ駆け寄り確認すると——結城おじい様は、たしかにその薬を飲んでいた。

宇佐美樹奈を見る目が、がらりと変わる...

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