第53章 次期継承者

「結構。これは私の家庭の問題だから」

水上伊鶴は考える間もなく、きっぱりと断った。

結城明臣は――腹の底が読めない男だ。

結城明臣は肩をすくめる。

「君がそう言うなら。それでいい」

宇佐美樹奈が正義面で水上伊鶴を指さした。

「この人が、おばあさまをあんなふうに怒らせたんです! それに薬まで奪って! 早く取り返してください!」

用心棒たちは水上伊鶴を見て、動けずにいた。

どちらの陣営も、敵に回したくない。

宇佐美樹奈は苛立ちを隠さず、地団駄を踏んで命じる。

「ほら、早くしなさい!」

「それが命を救う薬だって言うなら、毒じゃないんでしょ。なら――食べてみる?」

水上伊鶴が...

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