第55章 何を言っているのか

松井謙雄も、その視線に気づいていた。

「向かいの車にいるの、嶺宇研究所の裏のボスっぽいな」

「ええ。西川和也です」

水上伊鶴はそれ以上語らず、アクセルを踏み抜いた。

二人は最速で病院へ向かう。

到着すると、松井誠がまだ1階の駐車スペースで待っていた。

水上伊鶴が車から降りるのを見るなり、ぱっと笑みを浮かべる。

「名医さん、検査結果は? 結局どんな病気なんだ。治るのか?」

水上伊鶴は答えない。車を降りて脇へ退き、視線だけを、もう片方のドアへとさらりと流した。

松井誠が首をかしげた、その瞬間。

松井謙雄がふらりと降りてくる。手には、どこで拾ったのか木の棒まで握っていた。

「...

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