第57章 俺たちは同類だ

「エリック!」

宇佐美樹奈は、はっと目を見開いた。瞳が激しく揺れる。

エリック――あの毒を扱う男。

以前、医師がこっそり漏らしていた。結城おじい様の体内にあるTウイルスは、この男と関係があるのだと。

宇佐美樹奈の声は怯えに震えた。

「どうして私と手を組もうとしたの? 何が目的なの?」

エリックは腹の底から愉快そうに笑い、まるで道化でも眺めるみたいな目を彼女に向けた。

「君に利用価値なんてあるのか? 結城明臣の婚約者って肩書きか? それとも芹沢家でのあの惨めな立場か?」

宇佐美樹奈の胸に、羞恥と屈辱がどっと押し寄せる。

エリックの表情が歪んだ。目の奥には、ぞくりとするような昂...

ログインして続きを読む