第60章 今度は何の騒ぎ

芹沢蒼真と芹沢逸樹は、そろって言葉を失った。

まさか、祖母の病気が本当だったなんて。

祖母のそばに立つ宇佐美樹奈は、ぼろぼろと涙をこぼしている。

「これで満足!? おばあさまは本当に癌だったのよ!」

ちょうどそのとき、病室の外を水上伊鶴が通りかかったのが見えた。宇佐美樹奈は慌てて駆け寄り、声を張り上げる。

「待ちなさい! 水上伊鶴! 逃げるな!」

呼び声に、水上伊鶴が宇佐美樹奈のほうへ視線を向けた。

その場に立ったまま、目だけが冷えている。口調にはあからさまな皮肉が混じっていた。

「今度は何の騒ぎ?」

宇佐美樹奈はかっと顔を赤くし、奥歯をぎりっと噛みしめる。

「水上伊鶴、...

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