第63章 君の後ろ盾になる

「君たちが私を受け入れるのに時間が必要なら、私が――君たちを受け入れるのにも、時間が必要」

水上伊鶴は、彼が抱きしめるのをやめるまで待ってから、くるりと背を向けて立ち去った。

芹沢蒼真は手を伸ばして呼び止めようとした。けれど言葉は喉の奥でつかえ、どうしても形にならない。

水上伊鶴は最上階へ戻り、廊下の窓から下を見下ろした。芹沢蒼真はずっとその場に立ち尽くしていて、ようやく動いたのは深夜1時を回ってからだった。

翌朝、まだ薄暗い時間。

水上伊鶴の部屋の扉が、どんどんと叩かれた。

「伊鶴! いるか! じいちゃんだ!」

伊鶴は寝返りを打ち、重たいまぶたをこじ開けるようにして体を起こす...

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