第9章

浅見水希視点

「どうして私の住所を?」

今にも倒れそうな様子で駆け込んできた五十嵐佑真に、私はそう問いかけた。

「そんなことはどうでもいい!問題はお前が僕にしたことだ!お前は僕を破滅させたんだ、浅見水希!完膚なきまでに叩きのめした!」

「私があなたを破滅させた?」

私はドアを閉め、腕を組んでドアフレームに寄りかかった。

「面白いわね。聞かせてもらおうじゃない」

「とぼけるな!」

五十嵐佑真の声は震えていた。

「今日、病院をクビになったんだ!みんなの前で!医局の全員の前でだ!院長から、職業倫理に反する、患者と不適切な関係を持ったって!」

最高だわ。

「それで?」...

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