第4章

月華大劇場の外へ、私はよろめきながら出た。劇場街の電飾が滲んで、目の前で筋のように流れていく。

「おい、待て!一体どうしたんだ!」

背後から正人の怒鳴り声が響いた。私は振り返らず、ただ歩き続けた。今さら私を気遣うなんて、どの口が言うのだろう。

「放っておいて……家に帰らなきゃ」私の声は掠れて、途切れ途切れだった。

彼は大股三歩で追いつくと、私がふらついているのを見て、顔から血の気が引いた。「おい、どうしたんだその顔色は」

私は自嘲的な笑みを浮かべた。「あなたには関係ないでしょ! あなたのミューズでも探したらどう!」

言葉を言い終えるか終えないかのうちに、足から力が抜...

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