第5章

「成人! 私、もう死んじゃうかと思った……っ」

 雪見はしゃくり上げながら、彼の胸に飛び込んだ。

 成人は彼女を強く抱きしめた。心臓が狂ったように早鐘を打っている。だが、どれほどの重傷を負っているのかと急いで彼女を引き離し、その身体を確かめようとした瞬間――彼はそのまま硬直した。

 雪見は猛火の中から『救出された』はずだった。しかし、彼女の肌は無傷そのもの。火傷の痕一つなく、衣服の裾すら炎に焦がされた形跡が微塵もなかったのだ。

「お前……無傷じゃないか」

 成人は低く呟いた。得体の知れない違和感が、脳内で不気味に渦を巻く。

「ただ、すごく怖かったの……っ!」

 彼女はわんわんと...

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