第7章

 成人は弾かれたように顔を上げた。

「嘘だ!」

 狂気じみた否定に血走った両目をひん剥き、彼は獣のように吠える。

「早美が死ぬわけない! 彼女は隠れているだけだ!」

 よろめきながら立ち上がった彼の手には、熱でひしゃげ、ノコギリのように鋭利になったBrowningの残骸が未だ固く握りしめられていた。深く切り裂かれた掌から止めどなく鮮血が滴り落ちているが、彼自身は痛みなどまったく感じていない。

「あんたが彼女を隠したんだろ! この国中をひっくり返してでも、絶対に見つけ出してやる!」

 静留はゆっくりと両手を下ろした。その瞳に浮かんでいるのは、底知れぬ憐憫と決定的な嫌悪。

「あなた...

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