第4章
翌朝、私は蓮の珈琲店の前に立っていた。対決の時だ。
ドアを押し開けると、また美咲がいた。彼女と蓮は角のテーブルに座り、何やらひそひそと話し込んでいる。私が入ってきたのに気づくと、二人は同時に顔を上げ、その表情に緊張が走った。
「おはよう、彩花」蓮は立ち上がり、いつものように私を抱きしめようとした。
私は一歩下がり、鞄から写真を取り出すと、テーブルに叩きつけた。
「刑事、篠宮蓮? それとも有栖の継子、とでもお呼びしましょうか?」静かなコーヒーショップに、私の声が鋭く響いた。
蓮の顔からさっと血の気が引き、美咲は背筋を伸ばして固まった。二人は驚愕の表情で顔を見合わせる。
「彩...
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