第48章 本物と偽物の関心

村の端にある診療所には、安物の消毒液の匂いが立ち込めており、橘詩音は思わず眉をひそめた。

橘陸はすでにぐったりとしており、村医者のおじさんの診察をされるがままに受けていた。

橘陸の体調不良により、橘詩音のチームのスケジュールは番組側によって一時中断され、彼らには十分な休息時間が与えられた。

診療所で、橘陸が点滴を受け始めると、橘詩音は涙を浮かべた瞳でそばに付き添っていた。

彼女は弱々しく橘陸を見つめ、まるで自分自身が体調を崩したかのような、哀れな様子を見せている。

「お兄ちゃん、私、ずっとここで見守ってるからね」

橘陸は蒼白な顔で微笑んだ。「大丈夫だよ。お前も疲れただろう、戻って休...

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