第64章 玄学マスター

大野芳恵はきょとんとして、振り返り夫に尋ねた。「長命鎖を買ってきてって言ったのに、またどこで買ってきたの?」

男は苦虫を嚙み潰したような顔で言った。「市場の屋台で買ったんだ。その時、そいつの店の前には結構人がいてさ。これは本物だって言うから、確かめてみたら金だったし、深く考えずに買っちまったんだ」

「陰気の強い装飾品を持ってるとおっしゃいましたが、まさかこの鎖に問題が?」

青山希は頷いた。「これは長命鎖ではありません。あなたに物を売った人間が赤い紐を通しただけです。この形の金の延べ棒は、一般的に墓の副葬品ですよ」

「どうやら、あなたに物を売ったその屋台の主は盗掘師のようですね。骨董品と...

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