第75章 タレコミ

橘家の母親としても、やや納得がいかない気持ちだった。まさか橘詩音と自分の息子たちの間に、このような関係が生まれるとは夢にも思わなかったのだから。

しかし、息子たちが皆この有り様では、純粋な橘詩音ばかりを一方的に責めるわけにもいかない。

恐らく、母親である自分が幼い頃から世話を怠ってきたせいで、子供たちは幼少期の習慣が抜けきらないままなのだろう。

橘夫人は息子たちを諭し始めた。「あなたたちが小さい頃は、そうやって親しくするのはいいけれど、もう詩音ちゃんも大きくなったのよ。ましてやあなたたちは兄なのだから、これ以上は不適切だわ」

「以前のことはもう問いません。でも、今回の番組収録から帰って...