第9章

 警視庁の取調室にある蛍光灯が、耳障りな羽音のような音を立てて明滅している。真也は金属製の椅子に座らされ、両手は目の前の机に手錠で繋がれていた。二人の捜査官が、音を立ててファイルを机の上に叩きつけた。

「山崎さん」年長の捜査官が、束になった写真を取り出しながら言った。「これは五年前のあのホテルでの映像だ――技術的な解析補正をかけたものですよ」

 真也は眉をひそめた。「どういう……意味ですか?」

 捜査官は写真を一枚ずつ、彼の目の前に突き出した。監視カメラの切り抜き画像は、残酷なほど鮮明だった。泥酔し、千鳥足でまともに立つこともできない真也を、懸命に支える胡桃。エレベーターの中で壁にもた...

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