第7章 決闘を要求する

エマ視点

冷たい夜気が顔に当たる。

バックパックを背負い直し、中の武器の重みを感じる。腰のピストルに手が触れる。金属の感触は温かく、馴染み深い。まるで旧友に挨拶でもするかのように。

ホテルの裏路地は、思ったより静かだ。遠くで聞こえるエンジン音と、煉瓦の壁に反響するまばらな足音だけ。壁に身を寄せ、あらゆる影を、戸口を、誰かが待ち伏せしていそうな非常階段を、くまなく見渡す。

筋肉がこの感覚を覚えている。全身が装填済みの武器と化す、あの感覚を。

「いたぞ!あそこだ!」

叫び声が静寂を切り裂いた。思考より先に銃を抜いていた。最初の男がコンクリートの上に崩れ落ち、血が広がってい...

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