第13章

通路の人感センサー灯が、彼の猛ダッシュに合わせて一つ、また一つと点いていく。

惨白い光が鉄青の顔を照らし、眼底の赤い光だけがぎらついた。

『ピッ——認証完了』

消毒室の機械扉が左右にスライドする。江崎渚はそのまま中核手術室へ突っ込んだ。

もっと速く。さらに速く。

夕晴の身体は、もう限界だ。狼魂を無理やり抜かれたら、命がもたない。

ドンッ!

江崎渚は手術室奥の両開き扉を蹴り飛ばした。扉が轟音とともに左右へ弾ける。

血の匂いに、高濃度の抑制剤の刺激臭。鼻腔の奥まで一気に焼けつく。

目に飛び込んだ光景に、江崎渚の呼吸が止まった。

無影灯の下、杉山夕晴が手術台に横たわっている。

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