第15章

杉山夕晴は喉の奥で低く唸り、身を沈めたかと思うと、銀灰色の巨狼へと変じた。

一頭の痩せこけた狼が、背後から飛びかかる。

夕晴は即座に身を翻し、その喉笛に食らいついた。引き裂き、噛み砕く。温かい血がぶしゅっと噴き上がり、顔じゅうに降りかかった。

けれど景色はまた、ぐにゃりと歪む。

今度は冷たい地面に、誰かに容赦なく押さえつけられていた。

杉山家の執事が、露骨な嫌悪を浮かべた顔で太い注射針を彼女の血管へ突き立てる。

「こいつの血を全部抜け。雨音お嬢様の薬に使うんだ」

夕晴は必死にもがいた。狼の姿になって逃げようとする。だが首にはめられた拘束の首輪が、変身の力を無理やり押し潰し、体内...

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