31、

杉山夕晴は星ちゃんを胸の奥深くへ抱き込み、凍えきった小さな手足を、自分の体温で少しでも温めようと必死だった。

「地下室へ放り込め」

そのひと言が、針で心臓を刺されるみたいに痛かった。

死ぬことは怖くない。痛みだって構わない。

けれど、星ちゃんは違う。あの子は身体が弱い。冷たい風に当たるだけでもすぐ具合を悪くするのに、あんな湿って冷え切った地下室になど、とても耐えられるはずがない。

「陸斗、そんなことしないで」

杉山雨音はそっと男の手の甲に自分の手を重ね、床に伏した母娘へ痛ましげな視線を向けた。

「夕晴は一人で星ちゃんを連れて、外でずっと苦労してきたのよ。地下室の寒さなんて、とて...

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