第7章

言い終えた瞬間、主寝室は水を打ったように静まり返った。

永井医師の手がびくりと震え、聴診器が「パタン」と床に落ちる。

杉山雨音は内心ほくそ笑みながら、表情だけは痛ましげに曇らせた。

「陸斗……これは……あの子、まだ子どもよ……」

「そんな子を産むような、毒みたいな母親がいるからだ」

橘陸斗は宥めるように雨音の背を軽く叩き、刃物のような視線を橘瑛介へ向けた。

「何を突っ立ってる。俺が直々にやれって言うのか?」

「……承知しました」

橘瑛介は奥歯を噛み締め、部屋を出た。

扉が閉まった、その瞬間。腕の中の小さな身体が、ひくりと痙攣する。

星ちゃんは目を固く閉じたまま、ひび割れた...

ログインして続きを読む