第10章

阿部蓮ははしご式の階段に腰を下ろし、腕をぐっと伸ばしてブラケットライトをいじっていた。指の間の煙草をすっと下へ差し出し、佐藤美咲に渡す。

「消しとけ」

それからようやく、高橋詩織の言葉に応じた。

「戻って寝ろ」

高橋詩織はもうこちらまで来ていて、手にはスマートフォンを掲げている。

佐藤美咲が離れると、高橋詩織ははしごに手を添え、さっきまで美咲が立っていた位置に入った。上を見上げながら言う。

「先週から、なんかブラケットライトの調子よくないなって思ってたんだけど……」

阿部蓮は作業を続けたまま訊く。

「なんで言わねえんだよ」

「うっかり忘れてた」

佐藤美咲は煙草を揉み消し、二...

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