第17章

車のドアが開いた瞬間、降りてきた人物を見た周囲が、目玉を落としそうな勢いで固まった。

佐藤美咲も車を降りながら、思わず目を丸くする。なんで、こんなに人がいるの?

次の瞬間、ひそひそ声が耳に飛び込んできた。

「高橋詩織じゃないの?」

「なんで佐藤美咲なの?」

「え、待って。車の中、阿部蓮じゃね?」

そう言い終えるか終えないかで、ウィンドウがすっと下がった。彫刻みたいに整った阿部蓮の顔がのぞく。

佐藤美咲は慌てて身を乗り出した。

「お兄ちゃん、私もう行くね」

阿部蓮は彼女を見て言う。

「夜、家に戻るのか」

佐藤美咲は一拍置いてから、こくりとうなずいた。

「うん」

「……そ...

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