第18章

高橋詩織はこくりと頷いた。

「わかった」

そう言って手を引っ込める。オーディション待ちの女性タレントが三人、目をまん丸にしてこちらを見ていた。詩織は彼女たちにふっと微笑みかけ、それから佐藤美咲ともう少しだけ言葉を交わして、すっとその場を離れる。

美咲は、取り巻きに囲まれて去っていく詩織の背中を見送った。

まるで――本物のスターみたいだった。

詩織がいなくなると、前世でいつも美咲に噛みついてきた女性タレントの佐々木若菜が腕を組み、嫌味たっぷりに言う。

「ほらね。結局、同じ人間でも運が違うってこと」

あっちは今、推してくれる人がいる。こっちは自分で仕事を拾いに行くしかない。

もう一...

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