第31章

「美咲、君ってほんとにお嬢様なんだね。信じるよ」

鈴木明里と伊藤彩が寮の部屋にいて、伊藤彩は佐藤美咲をちらりと見た。どこか棘のある、酸っぱい声。

「コネでしょ? 聞いたよ。お姉さんと同じ役を取り合って、結局、半日もしないうちにお姉さんに決まったんだって。あんた、何で勝負すんの? お姉さん相手に」

佐藤美咲は台本をぎゅっと握った。しばらく指先に力を込めてから、ゆっくり顔を上げる。

「妬いてるんだ。羨ましいんでしょ?」

核心を突かれた伊藤彩の顔色が、さっと悪くなった。

「くそ。誰が羨ましがるかよ。鏡見てから言え」

「それでも、あんたよりはマシ」

「そのツラでよく言う。くそにも相手に...

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