第69章

「チッ、了解」

山田隼人はスマホを取り出して写真を撮り、そのまま森田亮へ送った。

阿部蓮は上着を手に取り、「行くぞ」とだけ言って部屋を出る。

「お疲れさま」山田隼人が見送った。

外には車が待っていた。阿部蓮は乗り込むなりスマホを開き、佐藤美咲の番号を探して発信する。

ほどなくして繋がった。向こうの佐藤美咲は、例の一ノ山と揉めている最中だったらしく、阿部蓮の着信で話を切られた形になった。

「もしもし」

柔らかい声。電波越しだというのに、妙に甘く耳に絡む。阿部蓮は前を見据えたまま、喉仏が小さく上下する。

「家のほうはどうだ」

「うん、掃除してる」

「ニュースは見た」

「うん...

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