第11章 決断して出手する

階下で、専属秘書が恭しくマイバッハの脇へ歩み寄った。

窓がすっと下がる。車内には御堂瞬が端然と座っている。仕立てのいい黒のスーツ。隙のない所作。滲むのは、近寄りがたいほどの冷ややかな気品だった。

彫りの深い顔立ちに、鋭い眉稜。周囲の空気ごと押し潰すような威圧感が漂う。

「件はどうなった」

「社長、滞りなく。先方も縁談の意向はなく、和やかにお話できました」

秘書はそう報告し、言い淀んでから、なおも口を開く。

「ですが社長……私見ですが、桐生家のお嬢様は容姿も品格も才も、いずれも抜きん出ていらっしゃいます。社長にとてもお似合いかと。もう一度だけ、ご検討なさっては……」

御堂瞬は眉を...

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