第25章 命の危機

桐生瞳の脳裏に、桐生夫妻が自分へ向けてくれていた、惜しみない愛情がふっとよみがえる。

彼女は眉も目尻もやわらかく弧を描いて笑い、穏やかにうなずいた。

「うん。私は元気だよ。お父さんもお母さんも、それに小父さんも……みんな私のこと、すごく可愛がってくれてる。何をするにも私の気持ちを一番に考えてくれて、ほんとに大事にしてくれるの」

松下淑子の瞳に、濃い安堵がにじんだ。彼女は小さくうなずき、声を落ち着ける。

「それならよかった。あなたが穏やかに幸せに暮らせて、心からあなたを大切にしてくれる人がそばにいる……それだけで、私はもう十分安心できる」

そこまで言うと、淑子はふっと息を吐き、苦笑の...

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