第37章 彼女と連絡を絶ちたくない

周藤恒は、うなずいてうなずいて、こめかみの汗が今にも滴り落ちそうになっていた。

「はい、はい、その通りでございます、桐生さん。すぐに是正いたします」

桐生瞳は一拍置き、箸を取り直すと銀だらをもう一切れつまみ、口へ運ぶ。ゆっくり噛みしめ、少しだけ間を作った。

「でも、今日の料理人も、たしかに精一杯やったわ。食材に難があるのに、火入れと味付けをここまでまとめたのは、十分に挽回できてる」

箸を置き、淡々と結論だけ落とす。

「味は悪くない」

周藤恒は、地獄から天国へ放り上げられた気分だった。張り詰めていた神経がようやくほどけ、胸の奥から長い息が漏れる。

「お褒めいただきありがとうござい...

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