第41章 誰も彼を引き留める方法を知らない

「瞳、これで大丈夫か?」

桐生明人は、ベッドの上で力尽きたように言葉も出せない息子を見つめた。目の奥には痛いほどの心配が滲む。だが、近づく勇気はない。

桐生瞳は最後の銀針を針嚢へ収め、うなずいた。

「このあとは薬湯に浸かるだけ。処方は使用人に渡してある。やり方も伝えたから」

夫婦はようやく肩の力を抜いた。それでも、思わず桐生辰哉へ視線が戻る。

少年はベッドに横たわり、全身が汗でぐっしょり濡れていた。唇は白い。けれど目だけが、異様に澄んで、強く光っている。

桐生瞳は伏し目がちに彼を見下ろす。

「回復具合を見て、処方は調整する。でも覚えておいて。治療は、回を重ねるほど痛くなる」

...

ログインして続きを読む