第43章 酔って誘惑する

酔いを帯びた眼――それなのに、氷を含ませたみたいに冷たく、鋭い寒気を放っていた。

桐生万理華はびくりと肩を跳ねさせ、背中に冷や汗がじわりと滲む。

……酔いつぶれてたんじゃないの? なんで、急に目を覚ますのよ!

「何をしている」

御堂瞬の声は掠れていた。酔っているはずなのに、有無を言わせない威圧が滲む。

桐生万理華はそこでようやく気づく。御堂瞬は泥酔していて、彼女が誰かも認識していないのだ。

すぐに甘い笑みを作り、やわらかな声で言った。

「瞬さん。お世話しに来たんです。飲みすぎですよ。お部屋で休みませんか?」

御堂瞬の眉間の皺が、さらに深くなる。

彼は乱暴に彼女を押しのけ、冷...

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