第44章 彼は彼女に無理やりキスをした

桐生万理華は床に正座したまま、涙をぼろぼろと頬にこぼしていた。

「私、ただ好きなだけ……それのどこが悪いの?」

泣きながら責める声が、がらんとしたVIPルームに反響する。

「何も求めてない! 瞬さん……ただ一緒にいたいだけなの!」

御堂瞬は壁際に身体を預け、どうにか立っていた。荒い息。異様に赤く染まった顔。残った理性だけが、彼を辛うじて倒れさせない。

歯を食いしばり、一語一語を絞り出す。

「……お前、俺に薬を盛ったのか?」

桐生万理華の表情がさっと揺れ、視線が泳ぐ。

「違う! 瞬さんが……私に気持ちがあるから、こうなるの。あなたが私を欲しがってるだけ……!」

言い切るや、覚...

ログインして続きを読む