第55章 間違っていたと分かった

桐生万理華が目を覚ましたのは、翌日のことだった。

ゆっくりとまぶたを開く。視界に飛び込んできたのは、真っ白な天井。

額の傷が、ずきずきと鈍く疼いていた……。

人影が勢いよくベッド脇に飛び込んでくる。

「お嬢さま! やっと……やっとお目覚めに!」

吉川が万理華の手をぎゅっと掴む。頬には、まだ乾ききっていない涙の筋。

万理華は彼女を一瞥すると、室内を見回した。

がらんとしている。いるのは吉川だけ。

胸の底がすとんと落ち、喉がからからに乾いた。

「……お父さまとお母さまは?」

「私がこんな状態なのに、あの人たち、なんとも思わないの?」

吉川は慌てて首を振る。

「違います! ...

ログインして続きを読む