第58章 君と勝負する

パァン!

乾いた音が弾けた瞬間、エグゼクティブ控室は凍りついたように静まり返った。

銀髪の男は頬を横に弾かれ、顔が半分そちらへ持っていかれる。次の瞬間、白い肌に真っ赤な手形がみるみる浮かび上がった。

男は頬を押さえ、信じられないものを見る目で桐生瞳を睨みつける。さっきまでの薄ら笑いは跡形もなく、瞳の奥で怒りが爆ぜた。

「……俺を殴ったのか?!」

腕が上がり、反撃の平手が振り下ろされようとする――その寸前。

「私と勝負して」

桐生瞳の声は大きくない。けれど、その一言で、空中の手がぴたりと止まった。

銀髪の男――チーム・イーグルのエース、ハク。

一瞬きょとんとしたかと思うと、次...

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