第186章 落札

「そう願いたいわね」

 山本宏樹が立ち去ったあと、私は深く息を吐き出し、パソコンを開いた。

 画面には、福田翔陽からのメッセージが届いている。

 添付されていたのは設計図のラフ案だ。修正すべき点はあるか、との問いかけが添えられていた。

 大学時代も、福田翔陽はよくこうして図面を送ってきては、私に添削を求めたものだった。

 私はざっと目を通し、気になった箇所をいくつかマーキングして返信する。

「美玲、さすがだ。こんなに早く問題点を見抜くなんて」

「先輩、また私を試しているんですか?」

 私は思わず口元を緩めた。昔から、私が落ち込んでいると、福田翔陽は決まってこうして何か課題を与...

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