第206章 山本宏樹は盲目だ

日永は微笑みを浮かべた。

「これは私の職務ですから、お気になさらず。お二人はもう帰ってください。何かあればいつでも連絡を」

 私と石川萌香は日永に別れを告げ、警察署を後にした。

 外の日差しは少し眩しくて、私は思わず目を細める。けれど、胸の奥はほんのりと温かかった。

「美玲、あんまり落ち込まないでよ。山本宏樹なんて所詮、見る目がないんだから。あなたの良さが分からないただの節穴野郎よ」

 石川萌香が私の腕に絡みつき、慰めるように言った。

 私は無理やり笑みを浮かべる。

「大丈夫、私は平気よ。萌香こそ、心配しないで。それより……さっきの平手打ち、本当にスカッとしたわ」

 石川萌香...

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