第211章 和解書に署名

そう言い残し、私は石川萌香の手を引いて寝室に入り、着替えを始めた。

着替えを済ませ、簡単にメイクを直してから部屋を出る。

山本宏樹はすでにリビングで待ちくたびれていた。私たちが姿を見せると、慌てて立ち上がる。

「終わったのか? もう行けるな?」

私は彼を一瞥する。

「何をそんなに焦ってるの? ただ示談書にサインするだけじゃない。今生の別れでもあるまいし」

宏樹は諦めたように首を振り、それ以上は何も言わなかった。私たちは三人で車に乗り込み、警察署へと向かった。

警察署に到着すると、警察官の立ち会いのもと、私たちは示談書に署名した。

宏樹はまるで肩の荷が下りたかのように、ほっと息...

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