第213章 病状悪化

そう言って彼は振り返り、長谷部翔太に尋ねた。「先生、彼女の具合はどうなんですか? 癌細胞がまた転移したんじゃないですか?」

長谷部翔太は福田翔陽の素性を知らず、眉をひそめて私に問いかける。「美玲さん、こちらは?」

「私の先輩の、福田翔陽さんです」

気のせいかもしれないけれど、長谷部翔太がどこかほっとしたように見えた。

「なるほど、福田さんでしたか」長谷部翔太は眼鏡の位置を直すと、「少し外でお話ししましょう」と促した。

長谷部翔太が私に告げたくないのは、精神的な負担をかけまいとする配慮だろう。だが、私は患者だ。自分の病状を知る権利がある。

「ここで話してください。私なら耐えられます...

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