第248章 なぜ私にこんなに残酷なのか

たった数年で、すべてがこうも変わってしまうとは思いもしなかった。

あの頃は、山本宏樹が血を流しているのを見るだけで、たとえそれがほんの滲む程度の血であっても、胸が締め付けられるほど痛んだものだ。

彼の傷口をそっと両手で包み込み、フーフーと息を吹きかけては「これで痛くなくなるからね」と慰めていた。

それなのに今、山本宏樹の頭の傷からあれほど大量の血が流れているのを見ても、私の心には微塵の心配も湧き上がってこない。

私が恐れているのは、森本友紀が面倒なことに巻き込まれることだけだった。

なにしろ、森本友紀は山本宏樹を罵倒した挙句、あんなになるまで殴ってしまったのだ。もし山本宏樹が警察に...

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