第265章 証拠がない

今の私には、石川萌香の潔白を証明する手立てが何一つない。

おまけに、院長の手元には石川萌香がサインした契約書まであるのだ。

事態は私たちにとって極めて不利な方向へ進んでいる。

だが、ここで諦めるつもりはない。

「美玲」

石川萌香が私の腕をぎゅっと掴んだ。

彼女が小刻みに震えているのが伝わってくる。

これまでずっと、石川萌香は私のそばに寄り添い、守ってきてくれた。私がトラブルに巻き込まれるたび、必ず助け舟を出してくれたのだ。

まるで本当の姉のように私を庇ってくれた彼女が、今、窮地に立たされている。私が怯むわけにはいかない。今度は私が彼女の盾になる番だ。

「萌香、怖がらないで。...

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