第275章 胸に成算あり

戸沼航は私たちの姿を認めるなり、腕を組んで嫌味ったらしい態度をとった。その顔は得意満面に歪んでいる。

「おや、こんな所で誰の待ち合わせかな。まあ、無駄な骨折りはやめた方がいいぜ。いくら待っても、誰も来やしないんだからな」

その言葉に、私は引っかかりを覚えた。待っても来ないとは、一体どういうことだ。妙に自信たっぷりの様子だが……まさか、小椋京香の身に何か起きたのか?

胸の奥に不安が広がり、思わず石川萌香の方へ視線を向ける。

石川萌香は眉をひそめ、冷ややかに言い放った。

「私たちが誰を待っていようと、あなたには関係ないでしょ。他人の心配より、自分の心配でもしたらどう?」

戸沼航は鼻で...

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