第303章 あなたを傷つけさせない

石川萌香はこくりと頷いた。

「分かってるってば、美玲。私自身が医者なんだから、自分の状態くらい把握してるわよ」

「安心して、大したことないから。獣に噛まれたわけじゃないんだし、狂犬病のワクチンを打つ必要なんてないでしょ」

こんな状況でも冗談を言える彼女を見て、私も思わずふっと笑みをこぼした。

石川萌香の傷口を丁寧に消毒し、ガーゼでしっかりと包帯を巻く。手当てが終わったちょうどその時、階下からパトカーのサイレンが鳴り響いてきた。

「警察が来たみたい。下に行きましょう」

私は石川萌香の手を引き、一緒に階段を降りた。

下へ着くと、数人の警察官が私たちの車を囲んでいた。そのうちの一人が...

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