第307章 匿名の証拠

彼女は私の手をぎゅっと握りしめていた。その手のひらには、うっすらと冷や汗がにじんでいる。

「美玲、丸山由紀が捕まったんだから、院長と戸沼航もちゃんと罰を受けると思ってた。でも、まさかあいつらがのうのうと逃げおおせるなんて……。私たちが思っていた以上に狡猾だわ。これからどうすればいいの?」

石川萌香は顔を上げ、すがるような目で私を見つめた。その瞳には深い戸惑いが揺れている。

私は大きく深呼吸をした。

「このまま引き下がるわけにはいかないわ。真っ当なやり方ですぐに決着がつかないなら、自分たちでなんとかするしかない」

「あいつらは殺し屋を雇うような連中よ。私たちだって、他人を傷つけない限...

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