第329章 薔薇の花

「本当は病室で渡すべきだったんだけど、あそこでバラの花は少し場違いな気がしてね。だから今日になってしまったんだ。許してくれるかな」

「わあ、福田先輩ってロマンチック! 美玲、何ぼーっとしてるの? 早く受け取りなよ! 先輩だって、ここまで花束を抱えてくるの結構大変だったんだからね!」

萩田牧子は壁に寄りかかりながら、ニヤニヤと私たちを見つめている。

傍らにいる森本友紀も、すっかり野次馬の顔つきだ。

この二人に現場をバッチリ押さえられ、私の顔は火が出るほど熱くなった。慌ててバラの花束を受け取り、胸に抱き寄せる。

「けっこう重いかも」

私が数秒抱えただけで、福田翔陽はまた私の腕から花束...

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